Microsoft Excel は「表計算ソフト」というイメージが強いですが、実はデータ分析にも非常に優れたツールです。
特別な統計ソフトを使わなくても、Excel だけで多くの分析作業を行うことができます。
この記事では、Excel を使って行える代表的なデータ分析手法から、分析前の準備、基本統計量の使い方までを、初心者の方にも分かりやすく解説します。
Excelで行うことができるデータ分析手法の種類
Excel では、目的に応じてさまざまなデータ分析が可能です。まずは全体像を把握しておきましょう。
基本的な集計・数値分析
もっとも基本となる分析方法です。
・平均値、合計、最大値、最小値
・中央値、標準偏差
・件数のカウント
売上データや成績表、アンケート結果など、数値を「把握する」ための分析に向いています。
グラフによる可視化分析
数値をそのまま見るよりも、グラフにすることで傾向が一目で分かります。
・棒グラフ(比較)
・折れ線グラフ(推移)
・円グラフ(割合)
特に月別売上やアクセス数の推移などは、折れ線グラフが効果的です。
ピボットテーブルによる分析
Excel の中でも非常に強力な機能がピボットテーブルです。
・大量データを一瞬で集計
・条件別(商品別、担当者別など)に分析
・ドラッグ操作だけで視点を切り替え可能
日常業務でのレポート作成や集計作業には欠かせない分析手法です。
フィルター・並び替えを使った分析
・特定条件のデータだけを抽出
・数値の大小で並び替え
・不要データの除外
シンプルですが、実務では非常によく使われる分析方法です。
Excelでデータ分析を行う前の初期設定
データ分析の成否は、「分析前の準備」でほぼ決まると言っても過言ではありません。
以下のポイントは必ず確認しておきましょう。
1行目は必ず見出しにする
・列ごとに意味が分かる見出しを設定
・途中で見出し行を入れない
これだけで、ピボットテーブルや関数の操作が格段に楽になります。
空白行・空白列を作らない
空白行や空白列があると、以下の問題が起こります。
・正しく集計できない
・範囲指定がずれる
・ピボットテーブルが崩れる
データは「連続した表」として整えておくことが重要です。
数値・文字・日付の形式を統一する
・数値は数値として入力
・日付は日付形式に統一
・数値と文字を混在させない
形式がバラバラだと、関数が正しく動作しない原因になります。
分析ツールを有効にする手順
1.Excel を起動し、画面左上の「ファイル」タブをクリックします。
2.メニューの一番下にある「オプション」を選択します。
3.「Excel のオプション」画面が表示されたら、左側のメニューから「アドイン」をクリックします。

4.画面下部の「管理」欄で「Excel アドイン」が選択されていることを確認し、「設定」をクリックします。

5.「分析ツール」にチェックを入れ、「OK」をクリックします。

この設定が完了すると、「データ」タブの右側に「データ分析」というボタンが表示されます。
「基本統計量」を使ってみよう
ここからは、Excel を使ったデータ分析の基本となる「基本統計量」を紹介します。
平均値(AVERAGE)
データ全体の「平均的な値」を把握できます。
例
・1日の平均売上
・クラスの平均点
最もよく使われる統計量です。
中央値(MEDIAN)
データを小さい順に並べたとき、ちょうど真ん中にくる値です。
平均値は極端な数値に影響されやすいため、
・収入
・所要時間
・アンケート結果
などでは、中央値の方が実態を表すこともあります。
最大値・最小値(MAX / MIN)
・最大売上
・最低点数
といった「限界値」を把握できます。
異常値の確認にも役立ちます。
標準偏差(STDEV)
データの「ばらつき」を確認するための指標です。
・数値の散らばり具合
・安定しているかどうか
成績評価や品質管理などで活用されます。
Excelを使ってデータ分析をするメリット・デメリット
Excel は万能ではありませんが、正しく使えば非常に優秀な分析ツールです。
メリット
・多くの人が使い慣れている
・追加コストが不要
・操作結果が視覚的に分かりやすい
・業務データと相性が良い
特に中小規模のデータ分析では、Excel だけで十分なケースも多いです。
デメリット
・数十万行を超える超大規模データには不向き
・高度な統計解析には限界がある
・自動化には工夫が必要
本格的な分析が必要な場合は、専門ツールとの併用も検討すると良いでしょう。
まとめ
Excel は、基本的な使い方を理解するだけでも、十分なデータ分析が可能なツールです。
・まずはデータを正しく整える
・基本統計量で全体像を把握する
・必要に応じてピボットテーブルやグラフを活用する
これらを意識するだけで、Excel を「ただの表計算ソフト」から「分析ツール」として活用できるようになります。
Excel 2024 では、動作の安定性や操作性も向上しているため、これからデータ分析を始める方にも最適な環境と言えるでしょう。

